スキャルピングとは?
スキャルピングの定義はだいたいエントリーしてから数秒~数分単位で細かい利益を積んでいくトレード方法です。
時間足は1分足~15分足くらいまでを利用し、東京時間9時から10時、ロンドン時間やNY時間開始時など、ボラティリティが上がる時間を狙って取引することが多いです。
回転が早いので資金効率が良い人気の手法ですが、エントリー時に損切りと利確の位置を瞬時に決定できるくらいのスキル、そして確実に損切りを実行するメンタルが必要な上級者向けトレードでもあります。
トレードスタイル | 取引時間 | 時間足 | 1取引の損益 |
スキャルピング | 数秒~数分 | 1分足 | 小 |
デイトレード | 数分~数時間 | 5分~1時間足 | 中 |
スイングトレード | 数日~数週間 | 4時間~週足 | 大 |
長期トレード | 数ヵ月~数年 | 日足~年足 | 大 |
スキャルピングに適したインジケーターの特徴
スキャルピングでは小さい利益を取引数でカバーする独特のスタイルなので、デイトレードなどに比べると利用したいインジケーターに特徴があります。
通貨ペアや時間足を監視するインジケーター
スキャルピングでは多くの通貨を監視して、一瞬のチャンスを逃さずに多くのエントリーをしていくことが重要ですが、そのためにチャート切り替えの負担は減らしたいものです。
そのため、チャートの通貨切り替えがスムーズにできる補助インジケーターや、チャートを切り替えずに複数ペアを監視するインジケーター、また上位足の高値安値などを自動で表示してくれるインジケーターを使うとトレードの負担を減らすことができます。
損切り・利確位置を表示してくれるインジケーター
スキャルピングは短時間に多くの判断&決断が必要です。
しかし人間の判断力や決断力には波がありますので、インジケーターを使って損切り&利確位置の目安を表示させれば、負担が大幅に削減することが可能で、トレードのミスを減らすことができます。
特にリスクリワード系のインジケーターがあるとスキャルピングで残る利益は安定します。
ボラティリティ監視系のインジケーター
ボラティリティからストップの位置を教えてくれるインジケーター
スキャルピングでは主に1分や5分足を利用しますが、値動き(ボラティリティ)が少ない時にエントリーしても利益は少なく、損切りにかかる可能性も早くなります。
そのため、ATRなどボラティリティ強度を読み取るインジケーターの利用がおすすめです。
インジケーターをスキャルピングで使う場合の注意点
リペイントするインジケーターは使わない
上記はリアルタイム(右)だと一つしか矢印がでていないのに、後からチャートを見ると左のように勝ったところにサインが足されるリペイント
ジグザグなどのインジケーターは、最高値・最安値が更新されると一度表示されたサインを削除して再度書き直します。
これは悪意のあるものではなく、ロジックとして仕方がないリペイントですが、スキャルピングは短期間での判断が必要ですので、リペイントをするインジケーターを併用するのはおすすめしません。
ローソク足のサイズに騙されない
スキャルピングで使う時間は1分足が多いです。しかし1分足の場合は時間が短いためローソク足のサイズの割に値動きが小さいです。
そのため、ATR系のインジケーターを導入したり、pointを見てしっかりと利幅が取れているかを確認しての取引が必要です。
足が確定してからエントリーする
多くのインジケーターは、00秒でローソク足が確定してからのエントリーを前提に作られています。
たまにローソクが確定する前の動きでエントリーする方がいらっしゃいますが、そもそも開発時のバックテストで秒単位のバックテストを行っている開発者さんはほぼおらず、足が確定時のデータでバックテストを行ってロジックを制作しています。
そのため、足確定前のエントリーは、インジケーター本来の勝率から逸脱する可能性があります。
上位足のトレンドには逆らわない
スキャルピングでは目の前のチャートの値動きに翻弄されやすくなりますが、必ず上位足のトレンドを確認して、上位足のトレンド方向にのみエントリーすることで勝率を高めることができます。
特に1分足スキャルピングの場合ですと15分足と1時間足あたりのトレンド確認は重要なのと、上位足のローソク足が確定する00秒時点は大きなお金が入りやすいので毎時15分と1時間のエントリーは慎重に入る必要があります。
取引回数が多くなるので隠れ取引コストの削減が重要
スキャルピングは多いと1日2~30回の取引は当たり前になります。しかしその場合、1取引ごとに、業者によって異なる取引コストがかかっています。
日本の業者ですとスプレッドに関してはかなり狭いので気にならないかもしれませんが、ハイレバでの取引や、追証で口座がマイナスにならないゼロカット口座が目的で海外FX業者を使う場合は、XMなどを使っているとかなりコストが高くなるので、下記の記事を参考にして取引コストを下げるのがおすすめです。
スキャルピングにおすすめのインジケーター
上位足を重ねて表示できるインジケーター「CustomCandle6」
CustomCandle6はチャートに複数の時間足のローソクを表示してくれるインジケーターです。
スキャルピングはついつい目の前の足に囚われて上位足の確認を忘れがちですが、このインジケーターがあればチャートを切り替えずとも上位足が描写されるのでとても便利です。
スキャルピングだけでなく、すべてのトレードにおすすめできるインジケーターです。
通貨ペアの全時間プライスアクションを監視するインジケーター
サブチャートに全時間の上表が記載されます
このインジケーターは非常に監視範囲の広いインジケーターで、ほぼすべての通貨ペアと時間のローソク足パターンを読み取って教えてくれるので、スキャルピング中のチャート切り替え回数を減らすことができます。
読み取れるパターンも非常に多く、ピンバーやハラミ足は当然のこと、明けの明星や赤三兵なんかも検出可能です。
しかもサブチャートにパターンが出現したら、そのテキストをクリックでそのチャートに飛ぶこともできるという、スキャルピングの補助にとても便利なインジケーターです。
リスクリワードレシオが簡単に扱える「RiskReward_Ratio_TradingView」
スキャルピングでは損切幅よりも利確幅を広く取引することが重要
このインジケーターは利確と損切りの位置を表すリスクリワードレシオを簡単に計測してくれます。→リスクリワードについてはこちら
スキャルピングはエントリー回数が多いですが、その全てでリスクリワードを優位に保つ必要があります。
しかしトレード初心者さんはその点がすっぽり抜けていることも多いですので、リスクリワードを普段気にしていなかった方はこのインジケーターでエントリーを検証することをおすすめします。
ATRから利食いと損切りラインを自動計算してくれるインジケーター「ATR with values」
ATR with valuesはエントリー箇所をクリックするとそこからの利確・損切り位置をライン表示してくれます。
各ラインはATRによって幅が自動で変わりますので、リスクコントロールとして非常に有効です。また、利確損切りの倍率は自由に変更ができますのでご自身にあった幅に設定が可能です。
様々な設定可能なスキャルピング補助ツール「Trend scalp」
サインは多いので、ある程度裁量でフィルターにかける必要はあります
サブチャートに価格の勢いを感知するラインを表示し、オシレーターの数値によって矢印を出してくれるサインツールです。
使い方としては『UpperLevel』『Lower Lebel』を超えたらサインが出る設定にして順張り、一度超えたLevelが戻ったらサインを出す設定にしての逆張りの使い方ですが、単体で使うよりは、プライスアクションなどのローソクの形を重視するインジケーターをあわせて使ったほうがより勝率は上がるかと思います。
どの価格で注文が多いかを表示してくれるインジケーター「OrderBook」
OrderBookは1日単位で、どの価格帯で多くの取引があったかを表示してくれます。
取引が多い価格帯は多くの注文がはいったということですので、抵抗帯として考えることができます。
短い時間足は上位足に比べてテクニカルが効きにくいので、こういったインジケーターを利用して優位性を高めることも重要です。
スキャルピングで便利な補助系インジケーター
カウントダウンと日本時間を表示してくれる国産インジケーター「SYSFAC_Timer」
SYSFAC_Timerは、ローソクに現在時刻が追従してチャート下部に時間を表示してくれます。
これを表示しておくと仲値やロンドンフィックスや指標発表時などをうっかり見落とすこともなくなったり、あとからチャートの検証のときにものすごく便利だったりします。
ちなみにこれはMT4時間で表示ですが、上位版は市場の色分けと日本時間表示もしてくれます。そしてなぜか上位版も無料という謎仕様なのです。
各FXブローカーのポジションを一覧表示してくれるインジケーター
文字化けがありますが青が買い、赤が売りのブローカーポジション比率です
こちらは各FX業者のポジションを表示してくれるインジケーターです。オアンダのオーダーブックの海外版ですね。
更新頻度が不明なのでこまめなスキャルピング向けのインジケーターではないのですが、それでもロングとショートに大きな差が出ているときは流れに逆らわないようなトレードを心がけることで勝率を上げることができます。
なお、一部文字化けしますので、それについては下記の記事で解説しています。
ボラティリティからロットや損切り幅を自動計算するインジケーター「ATR-Risk-Calculator-Indicator」
このインジケーターは、ATRを基準として何倍を損切り幅にするか、口座資金の何%までリスクを許容してロットを設定するかを自動計算してチャートに表示してくれます。
計算に使っているATRは、現在の相場がどれくらい良く動いているかの指標で、相場が激しく動けばATRは高くなり、相場が落ち着いていればATRは低くなる性質があります。
見た目は地味ですが、リスクコントロールにとても有効なインジケーターです。
主要8通貨の強さを監視するインジケーター
こちらはメジャー通貨すべてを監視し、通貨の強弱を監視してくれるインジケーターです。
画面の左側半分と右側半分では別のロジックで通貨の強弱を表しており、両サイドを見ながら監視します。また、各通貨をクリックするとそのチャートが開く仕様でなかなか親切設計です。
通貨ペアや時間をチャートに表示してくれる「Symbol changer」
こちらはチャート上に通貨ペアと時間足の変更ボタンを表示して、簡単に切り替えることができるようになるインジケーターです。
ボタンクリックでチャートの切り替え系はたくさんありますが、動作が軽く網羅性が高いので、頻繁にチャートを切り替えるスキャルピングにおすすめです。
通貨ペアのスプレッド一覧を表示
「Bid(売値)」と「Ask(買値)」の差額であるスプレッドの一覧をリアルタイムで表示してくれるインジケーターです。
スプレッドが狭い業者と広い業者では取引コストに大きな違いがでますので、このインジケーターで比較することはスキャルピングをやっていく上で重要です。
通貨ペアの強弱をグラフで表示
指定した4種類の通貨ペアの強弱をグラフで表示してくれるインジケーターです。
スキャルピングでは強い通貨と弱い通貨を組み合わせてのトレードが多いですが、これを把握できるようになると、最強通貨で逆張りショートなどの下手なエントリーが減るのでおすすめです。
経済指標を一覧表示「MarketCalendar」
MarketCalendarは経済指標をチャート上に一覧表示してくれるインジケーターです。ウィンドウズのダイアログボックス方式をMT4で採用しており、チャートの中を自由に移動が可能です。
スキャルピングでは経済指標発表時の大きな値動きは、ほぼギャンブルに近いものになりますので避ける必要があります。
そんな時にMarketCalendarがあれば、指標忘れで巻き込まれる事故が減るのでおすすめです。