方向性指数(DMI)とは、資産価格がどの方向に動いているか、またその価格変動の強さを判断するのに役立つ指標です。
DMIは、現在の価格を過去の安値や高値と比較し、ポジティブな方向への動き(+DI)とネガティブな方向への動き(-DI)の線を引くことで判断します。
近年はADXとセットで利用されることが多くなりました。
MT4にもAverage Directional Movement Indexの名前で標準でインストールされています。
チャートの見方
DMIは、+DIと-DIの位置関係によって、価格の圧力の方向を決定します。DIが-DIよりも高ければ、価格の圧力はより上向きになり、買いのシグナルを示し、-DIが高ければ、価格の圧力はより下向きになり、売りのシグナルを示します。
方向性指数(DMI)の算出方法
各期間のTrue Range、正の方向性(+DM)、負の方向性(-DM)を算出します。通常、14期間を考慮します。
+DIの14日平均=+DMの14日平均値 ÷ TRの14日平均値
-DIの14日平均=-DMの14日平均値 ÷ TRの14日平均値
±DMの求め方
+DM=当日の高値-前日の高値
-DM=前日の安値-当日の安値
TR(True Range)実質変動幅の求め方
『当日の高値-当日の安値』、『当日の高値-前日の終値』、『前日の終値-当日の安値』の3つうち最大の数値を使用。
方向性指数(DMI)を使った取引
DMIは、トレンドの方向性を判断するのに役立ちます。
+DIラインが-DIラインよりも高い位置にある場合、市場は上昇トレンドにあると考え、同様に-DIラインが+DIラインよりも上にある場合、市場は下降トレンドにあると考えられます。
また、DMIは±Dを比較することでトレンドの強弱を確認するために使用できます。
+DIと-DIの間のスプレッドが大きければ、トレンドは強く、+DIが-DIを大きく上回っている場合は、強い上昇トレンドであることを示し、-DIが+DIを大きく上回っている場合は、価格のトレンドが強く下降していることを示しています。
DI、-DI、ADXを同じウィンドウで表示するのが一般的なので、DMIとADXは混同されがちですが、トレーダーによっては、トレンドの強さを判断するためにADXのみを分析する場合もあれば、価格の動きの方向性を判断するためにDMIの方向移動線のみを分析する場合もありますので、DMI単体を表示するインジケーターも多く開発されています。